小田奈良須両池改良区の歴史

 小田奈良須両池土地改良区は、昭和24年土地改良法の制定を受け、従来の10水利組合を再編統合して昭和32年12月に設立された。その後、平成16年4月1日に隣接する高松市円座土地改良区と合併し現在に至っている。

 当土地改良区は、高松市の南西部に位置し、東は香東川、西には本津川が流れ、この両河川に挟まれた川部町をはじめ、岡本町、西山崎町、檀紙町、中間町、飯田町、成合町、御厩町、円座町の9町(旧村)を区域とする水田680ha余を管内とする。

 また、管内の水源は、当土地改良区が直接管理する、藩政時代(寛永4年)西嶋八兵衛によって築造された小田池、奈良須池をはじめ、土地改良区傘下の支部が管理する御厩池のほか7箇所のため池など、内場池などに加え、香川用水が導入されるなど安定した水源に依存しており、他地域に比較して恵まれている状況にある。

 この内場池で確保された貯水を効率的に配水するため、県営事業で整備した幹線水路4路線(一の井、弦打、中央、本津)については、内場池土地改良区と共同で管理するために組織した西部幹線維持管理会が管理しており、土地改良区が直接管理する小田池や奈良須池はもとより、内場池用水や香川用水の受水を加え、円滑かつ効率的は配水管理を行うとともに、施設の管理についても適切な維持管理に努めている。

 しかしながら、受益農地に配水する動脈である4幹線水路については、造成後55年が経過し、老朽化が進行したことから、内場池土地改良区と協力して、平成22年に県営基幹水利施設ストックマネジメント事業「香東川左岸上下流地区」の採択を受け、令和元年度に完成し、施設の長寿命化に取り組んでいる。また、幹線水路に接続する支線水路等についても、単独県費補助土地改良事業等を活用して計画的な改修・補修に努めている。さらに、水源であるため池については、国営総合農地防災事業や県営ため池等整備事業を活用し、小田池、奈良須池や御厩池などの池で改修を終えている。

 また、管内では、米麦をはじめ、ブロッコリーやアスパラガス、トマト、キュウリなどの野菜栽培を中心とする都市近郊型農業が展開され、県都高松市の市民の食料供給基地となっており、今後とも役職員が一丸となり、ため池をはじめとする農業水利施設の適切な維持管理や効率的な配水管理を行い、地域農業の振興に努めることとしている。